エンタープライズバックアップ&リカバリにおけるチェックリスト

By Raj Dutt • July 30, 2019

企業データの成長

バックアップとリカバリが業務の停滞を招いていないでしょうか。データ量が急増していることから、多くの組織では今、バックアップとリカバリに対するアプローチの再検討が進んでいます。IDC社では、2025年までに世界全体のデータが61%成長して175ゼタバイトになると予測しています。このようにデジタルエコノミーで天文学的な成長が見込まれるのでは、その時までに十分な議論が尽くされるとは思えません。

データの大氾濫が迫っていることはわかっているので、ITチームは、バックアップ/リカバリ戦略を見直さなければというプレッシャーを感じています。そこで、自分たちの組織が、業務効率の向上、パブリッククラウドの統合、ビジネスのコンプライアンスとセキュリティの維持など、現在および将来のイニシアチブをサポートできるだけの十分な最新化に取り組んでいるかどうかを評価しようとしています。また、ビジネスで絶対に見逃すことがあってはならない新たなインサイトを導き出すために、既存のソリューションを活用できるかどうかも知りたいと考えています。

今日の多くの企業と同様の立場に置かれている企業であれば、おそらくは現状のレガシーなポイント製品を最先端のバックアップ/リカバリソリューションと比較して評価するプロセスにあることでしょう。そして、追加のワークロードをパブリッククラウドに移行してダークデータも活用できるようにする取り組みに伴い、こうした旧式の製品が業務の効率化というタスクに耐えられるかどうかを判断しようとしているのではないでしょうか。もしもそうなら、以下に示す手軽なチェックリストがお役に立つと思います。

エンタープライズバックアップ/リカバリソリューションのチェックリスト

  1. 1. ハイパーコンバージドプラットフォーム
  2. 2. 単一のシンプルな管理インターフェイスおよびダッシュボード
  3. 3. 従来型および最先端のワークロードの両面サポート
  4. 4. 柔軟なバックアップと迅速なリカバリ
  5. 5. クラウドネイティブなアーキテクチャ
  6. 6. 無制限のスケールアウト
  7. 7. 非破壊的なアップグレード
  8. 8. データ回復力の保証
  9. 9. データストレージの容量と効率性の最大化
  10. 10. 拡張性、セキュリティ、コンプライアンス

1. ハイパーコンバージドプラットフォーム

最も重要となるのは、データの保護・管理をエンドツーエンドで提供すると同時に、インフラストラクチャ上の明白なサイロを単一のソリューションに統合できるソリューションを特定することです。これを現在および将来に必要とされるスケーラビリティと柔軟性で実現できるのは、ハイパーコンバージドプラットフォームだけです。

レガシーなバックアップソリューションは、一般にインフラストラクチャ上のサイロの寄せ集めであるため、管理が複雑で、コストのかさむ破壊的なアップグレードが必要になります。バックアップとリカバリの環境をコンピューティング、ストレージ、ソフトウェアのサイロに分割して個別に管理する必要などありません。また、複数のワークロードをサポートするために並列環境を維持すべきでもありません。

複雑さに代わって必要となるのは、(バックアップ、リカバリ、テスト/開発、アナリティクスを含む)複数のワークロードをすべて1つのプラットフォームに統合することが可能な、ソフトウェアで定義される単一のハイパーコンバージドソリューションです。バックアップとリカバリの取り組みにおける重要な目標はシンプルさであるべきなのです。

2. 単一のシンプルな管理インターフェイスおよびダッシュボード

あなたが評価しているソリューションは、現在のデータスキームを統合し、バックアップ、リカバリ、ポリシーベースの管理を異なるロケーションにまたがって1つの画面から操作することができるでしょうか。バックアップとリカバリのツールは、企業環境のあらゆる側面を管理できる、シンプルで直感的な単一のインターフェイスを提供する必要があります。ここにはバックアップとリカバリに用いるハードウェアおよびソフトウェアの最初のデプロイ、バックアップの継続的な管理、いずれ必要となるリカバリが含まれます。

あなたが現在は複数のポイント製品を使用しているシステム管理者またはアプリケーション所有者であるのなら、全社に拡張しうる最先端のクラウドネイティブなスケールアウトソリューションを支持することを強くお勧めします。グローバルなSaaS(Software as a Service)による管理は、時間を節約して手作業のエラーを低減します。

3. 従来型および最先端のワークロードの両面サポート

新しいアプリケーションタイプやワークロード(例えば Kubernetesをベースとするコンテナ化されたアプリケーションNoSQLデータベース、さらにはHadoopなどのデータと分散アプリケーションのフレームワーク)が、企業環境に日常的に取り入れられるようになっています。同じことはSaaSアプリケーションについても当てはまり、例えばMicrosoft Office 365などは、現在ではあらゆる組織のほぼ半数が使用しています。予見しうる将来においては、多様性こそが現実になると考えられます。

貴社のソリューション(または今、候補として検討中のソリューション)は、最先端のワークロードが続々と現れてくるのに対応して、業務効率を維持するか、さらには改善することができるでしょうか。現在では、データだけでなくアプリケーション全体をバックアップするソリューションであることが必須の要件となっています。バックアップとリカバリのソリューションは、組織が定常的に実行してきたアプリケーションのすべてに加え、新たな要素が業務環境に導入されたときには、それらも同様にサポートする必要があります。

4. 柔軟なバックアップと迅速なリカバリ

データのリカバリに要する時間は重要です。今日の企業が求めるのは、即座のデータリカバリとダウンタイムを低減する可用性です。レガシーなバックアップソリューションでは(場合によっては一部の新しいソリューションでも)、高速リカバリで一度にサポートするのは少数の仮想マシン(VM)のみで、結果として受け入れられないほどのダウンタイムとなります。クラウドネイティブなソリューションであっても、データをリカバリ用に提示する前に複雑なデータスティッチング(ハイドレート化)を実行して、リストアプロセスが単一ノードを通じて発生するようにする場合があります。

バックアップでは数百ものVMやオブジェクトを、数時間や数日ではなく数分でリカバリする必要があります。そのため、選択しようとしているソリューションについては、完全にハイドレート化されたバックアップを維持して大規模な即時リカバリを可能にする分散アーキテクチャが提供されるかどうかを必ず確認してください。

5. クラウドネイティブなアーキテクチャ

かつてないほど多くの企業が、バックアップ先の選択肢としてパブリッククラウドを採用するようになってきています。これは従来の選択肢であったオンプレミスに比べて迅速に稼働させることができ、しかも低コストです。現在のクラウド導入戦略がどのようなものであっても、次に選ぶバックアップ/リカバリ製品は、パブリッククラウドとのネイティブ統合機能を備えている必要があります。

クラウドネイティブなソリューションでは、アプリケーションとデータをクラウドで保護しながら、クラウドのスケーラビリティやコスト効率をバックアップや他のワークロードに生かすことができます。選択するソリューションは、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloudなどの代表的なパブリッククラウドプロバイダーと統合できる必要があるだけではなく、クラウドネイティブなアーキテクチャとして妥当かどうかも確認する必要があります。ボルトオン型のゲートウェイは、不完全でコストがかさみ、バックアップとリカバリの環境を大幅に複雑化するので、避けることです。

6. 無制限のスケールアウト

ペースが速い今日のビジネスでは、バックアップとリカバリの環境も、プロダクション環境と歩調を合わせて絶えず変化します。柔軟性に乏しい環境では、新しいプロダクションシステムをデプロイする場合、新たなワークロードに対応するためにIT運用者がバックアップ/リカバリ環境の面倒な調整を余儀なくされるため、コストと遅延の増大につながります。水平スケールアウトアーキテクチャは、動的なプロダクション環境に常に対応できる柔軟性を実現して、新しいサービスを市場投入する際にも拡張の必要性が阻害要因とならないようにします。

今お使いのソリューションは、データ量が成長して会社のワークロードがさらに多様化した場合でも、高い信頼性を保ちながら引き続き拡張していけるでしょうか。最初は小さく始め、オーバープロビジョニングを回避しながら、必要に応じてオンデマンド型でビジネスの中断を招くことなく容量を追加することができるでしょうか。既存のベンダーや提携を検討しているベンダーは、ロードマップを共有できるでしょうか。最先端のバックアップ/リカバリソリューションは無制限かつリニアに拡張でき、ワークロードのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがありません。

7. 非破壊的なアップグレード

今日の企業は、バックアップ/リカバリソリューションが1日24時間/1週間7日/1年365日ずっと稼働し続けることを想定します。つまり、そうした企業では、パッチ、アップグレード、強化のためにシステムをダウンさせるというレガシーアプローチが大きな課題となります。計画外の機能停止は許容されません。また、計画された機能停止であっても、実施する場合には頻度を抑える必要があります。最新かつ最高のソフトウェアをダウンタイムなしで常に導入していきたい組織は、どうすればよいのでしょうか。最先端のバックアップ/リカバリソリューションでは、バックアップ管理者はローリングアップグレードを用いて、ダウンタイムを一切発生させずにクラスターをアップグレードできます。このシナリオでは、クラスター内の各ノードが個別にアップグレードされます。つまり、残りのノードはメンテナンスの実施中も稼働したままになります。

8. データ回復力の保証

最先端のアプリケーションではデータのアクセスと変更が継続的に行われることから、データを1日に1度バックアップするのではもはや不十分です。レガシーバックアップ製品では、バックアップジョブの途中でターゲットデバイスに障害が発生すると、管理者はバックアップジョブ全体を再起動する必要があるかもしれず、その場合はバックアップウィンドウが拡大する(=バックアップの所要時間が延びる)ことになります。これはプロダクション時間に食い込んでいき、レガシーソリューションがサポートする最終的な一貫したデータ状態を確保するために、回復ポイント目標(RPO)に影響を及ぼす可能性があります。

ビジネスのSLAを満足し、「ファイルが見つかりません」というエラーを回避し、データ回復力の保証を達成するために、次に選ぶバックアップ/リカバリソリューションは、厳密な一貫性を備えている必要があります。厳密に一貫したモデルでは、アプリケーションまたはクライアントは、複数のノードに対するデータの伝播が完了した場合にのみ、書き込みの確認を受け取ります。次のバックアップ/リカバリソリューションを購入するときには、自分で直接バックアップする場合でも、サードパーティのアプリケーションを使用する場合でも、リカバリプロセスを実行する場合でも、厳密に一貫したモデルという条件は譲らないでください。最先端のバックアップ/リカバリソリューションに期待すべき他の重要な機能としては、(ノードおよび/またはディスク障害に関する)高いレベルのフォールトトレランス、イレイジャーコーディング、レプリケーションファクターなどがあります。

9. データストレージの容量と効率性の最大化

どれほど多くのデータのコピーが使用されている場合でも、もしくはバックアップ環境内に存在する場合でも、そうしたデータによって消費される総容量が目に見えて成長する状況は望ましくありません。となると、選択するソリューションでは、自動データ重複排除機能を使用してデータのコピーの数を大幅に減らすことが重要な要素になります。その結果、この機能を使用しない場合に比べ、実際に利用できるストレージ容量が大幅に増加します。複数の別個の重複排除アプライアンスを使用するという、ありがちな落とし穴にはまらないようにしてください。これではまた別のサイロを作るだけになってしまいます。

複数のコピーという問題はビジネスに大きな影響を及ぼすことから、これに対応するために全く新しいクラスのソリューションが導入されました。それがデータコピー管理です。

これについては、単に複数のデータコピーの必要性を排除するだけでなく、エンタープライズグレードの重複排除(グローバル可変長)および圧縮を提供して、データのフットプリント、コスト、管理の負担を削減できるように支援するのが、最善のソリューションとなるでしょう

10. 拡張性、セキュリティ、コンプライアンス

効果的なランサムウェア保護を導入すると、身代金の支払いやダウンタイムの発生という代償からビジネスを守ることができます。希望するソリューションは、データ窃盗に対する保護を改善できるでしょうか。最先端のバックアップ/リカバリソリューションは、マスデータの断片化の結果として発生してきた既存のデータサイロを統合することによって、アタックサーフェス(攻撃対象領域)を縮小します。

包括的なアプローチは、潜在的な脅威を迅速に検出して即座に対応することにより、バックアップがサイバー攻撃のターゲットとなることを防ぎます。コアからクラウドさらにはエッジまでの多層防御には、バックアップジョブをイミュータブルな(不変の)状態に維持して、いかなる外部システムによってもマウントできないようにすることが含まれます。最も効果的なバックアップソリューションは、継続的なモニタリングを通じて変更率が小さな場合も把握することにより、攻撃を検出することもできます。そして最も重要な点は、最悪の事態が発生した場合には、即時のリカバリをサポートします。

最先端のソリューションは絶対に、コンプライアンスプロセスを今すぐ、また将来を見据えて合理化しなければなりません。そのためには、データを保護、最小化、特定、モニタリングするための改善された方法を提供する、Webスケールのプラットフォームが必要です。同時に、ペタバイト規模のデータを単一のユーザーインターフェイスから簡単に取捨選択できるようにする、Google風の検索機能が必要です。

使用するバックアップソリューションがグローバルなデータ可視性とパターンマッチングをサポートする場合には、クレジットカード番号や社会保障番号などの個人情報を容易に特定できます。一般データ保護規則(GDPR)、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)、ペイメントカード業界(PCI)、および自社の業界が義務付ける他の規制に関する互換性を、検討中のソリューションがどのように簡素化するかという点も考慮する必要があります。

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